リビングのカーテンを閉め忘れたため、窓に近づく。
隣のアパートはもう電気がついてる部屋なんて1つもない。まぁしょうがない、午前3時近くだし。でも、窓から見える外が、なんか白く見える。地面も、車も。側面が赤なのに上部は白というコントラスト。
もしかして、と窓を開けるとやっぱり雪。もう3月なのにな。ここに来てまた雪が降るとは思わなかった。夕方この部屋(ベッドルーム)のカーテンを閉めるときも、8時過ぎにご飯を作りに台所に行ったときも、雪が降ってる感じはなかったし、きっと夜遅くから降り始めたんだ。

窓から手を出して、換気扇みたいなのに積もってる雪をさっとすくってみた。冷たい。でも、誰もまだ触ってない雪を独り占めできるのはうれしい。近くにいたミミにすくった雪を触らせると、びっくりしたミミは、一目散で窓のそばからベッドルームに走り去った。当たり前か、雪なんてミミは初めてだし、もともと猫は寒がりだもんね。

でも、そこでちょっといたずら心に火がついた私はミミを捕まえ、腕に抱きかかえて、まだ雪が残った換気扇の上にそっと置いてみた。ミミにとっては動物病院以外の初めての外。暗いし静かだし、あんまり外の雰囲気は感じられなかったかもしれないけど、意外と雪の上でしばらく、ジーッ。さっきびっくりして、雪に触れた瞬間に逃げたのとは大違い。20秒くらい雪の感触を楽しんだ後、自分で部屋に戻ったミミ。どう思ったんだろう。

明日は朝どうなってるのかと、ちょっと天気予報を見てみたら、雪のマークは「現在」だけ。明日は寒そうだけど、もう雪はない様子。ちょっとだけ寂しいかも。