この前、バイト先の授業で、「AがBの出身地、またはBがよく知っている場所に旅行に行くことになったので、Bに旅先のことをいろいろ聞く」という会話を作らせた。
みんなペアでがんばっていろんなところを上手に紹介できたのだけど、あるペアの会話でこんなシーンが。

A:私は旅行が楽しみになってきましたよ。
B:そうですか。では、道中、お気をつけて。いってらっしゃい。

一瞬、「誰にそんな表現を習ったの?!」って思った。
「道中、お気をつけて」って・・・。なんか水戸黄門を思い出した。

こんなセリフ、今は時代劇くらいでしか聞かないよなぁ。しかも、この言葉がしっくりくるのって、歩いて旅行をしていて、かつ、旅行中に刺客とか人斬りに襲われたり、危険な目に遭う可能性があったりする場面って感じがする。今は旅行するって言ったら、車か電車、船や飛行機が主流。徒歩で旅行するって人はほとんどいない。飛行機や車での旅行でももちろん事故の可能性はあるけど、それはまたなんかちょっと違う。

一応、今はその表現を実際に使う人はほとんどいないということと、代わりになるような表現をいくつか教えた。学生は辞書でその言葉を見つけたらしいのだけど、やっぱり辞書の言葉と生きた会話表現って、どんな言語でも違うんだよなぁ。

学生は今日私に指摘されるまで、この表現が実際あまり使われていないことは知らなかったはず。だから間違いっていいことなんだよな。間違うまで、それがいつ、どんなときに使われるか気づかないことって多いから。

でも、この一言にはちょっとウケた。一瞬だけシーンが時代劇だもんなぁ。なんかほのぼのした気持ちになった。